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デジタル写真で最も重要なのは、階調情報です。デジタルの写真は補正が簡単にできるのが利点なのですが、気をつけなければならないのが、「画像補正は階調情報を狭める」、つまり劣化させることでしか行えないということです。

階調情報はデータを取り込んだ時が最大であり、それ以上広げることはできません。見た目では、画像を明るくしたり、コントラストを上げたり、フラットにしたりといったことはできますが、あくまでも「見た目」であって、実際にデータの階調幅が広がっているわけではないのです。

きれいな画像をつくるためには、画像の劣化を最小限におさえる事が最も重要で、256階調の中でどれだけトーンジャンプ(階調の飛び)を防げるかということが、補正の基本なのです。

普段、CMYKで修正している人がいますが、これはおすすめできません。なぜならRGBで取り込んだ画像をCMYKに変換されたデータは、補正をしても元の階調に戻すことはできないからです。CMYKに分解された版、黒版に置き換えられたシャドウ部の階調情報を失っており、色版はきれいな連続した階調を保っているわけではないことを覚えておいてください。

WEB以外での用途があり、最終的にCMYKデータで出力するとしても、RGBデータで徹底的にきれいな画像にしておいた上で、印刷の直前段階で、用紙、インクなどの条件に最適化し、分解を行うことが鉄則です。インターネットでは通常、画像はRGBで取り込み、RGBで表示し、肉眼ではRGBで認識するので、CMYKモードで使われるインキは理想的ではないのです。

その他、フォトショップの補正ツールの多くはRGBモードに合わせて最適化されており、フィルタメニューもCMYKだと使えないものが多くあります。さらに、フォトショップのフィルタと補正ツールのほとんどは、シアン、マゼンタ、イエローを同量ずつ混ぜ合わせるとグレーが出来ると想定できますが、実際にはシアンを多めにしなければなりません。フィルタや補正を適用した後に画像が茶色がかってしまう原因は、このルールを知らずにシアンの量を増やしていないからです。

前述で、階調は一度劣化したら戻らないといいましたが、それ以上に補正の順番を間違えると元も子もありません。 画像補正は、見た目をきれいにしたいという思いから、彩度の調整から入ってしまいがちです。
しかし、まずレベル補正やトーンカーブで補正してから、彩度を少し(5〜25ポイント程度)上げる、これがプロの常識です。

彩度の調整は色を鮮やかにするだけでなく、レベル補正やトーンカーブで乱れた階調のトーンを補う役目をも果たしているのです。

レベル補正やトーンカーブで画像補正すると、濃度レンジを256階調に再分配することになってしまうので、トーンジャンプ(ヒストグラムに隙間ができ、櫛状態になること)が起こります。そこで彩度を少し上げることにより、周辺の色を引っ張り、トーンジャンプが起きていた部分に色がオーバーラップして、トーンジャンプを埋めることができるのです。

レベル補正のヒストグラムは、画像全体の濃度分布が一目で把握できるので、画像を取込んだ後に、最初に状態をチェックする場合に便利です。その際、見る時の注意点は、画像表示サイズを100%にしておくことを心がけましょう。これは、25%で開いてしまうと、100%から1/4に圧縮された状態のヒストグラムが表示されてしまうため、25%で階調飛びがなくても、100%の表示サイズでは階調飛びが見られる場合があるからです。多少見づらくとも、必ずチェックは100%サイズで確認するようにしてください。

トーンカーブは、視覚的に画像の濃度分布を把握はできないのですが、レベル補正よりも精度が高く、きめ細かい補正ができます。画像を明るくしたり、暗くすることはレベル補正でもできますが、コントラストの調整は難しくなります。 トーンカーブで調整できて、レベル補正で調整できないことはあっても、レベル補正で調整できてトーンカーブで調整できないことはありません。

トーンカーブをマスターすれば、レベル補正、明るさコントラスト、ニ階調化で可能な全ての調整と、その他様々な調整を行うことができ、画像補正についてはプロレベルになります。長い経験と高い技術が必要ですが、ぜひマスターできるよう努めてください。

トーンカーブ調整は、基本的にはハイライトポイントとシャドウポイントを動かさなけれれば、ダイナミックレンジを損なわずにコントラストを調整することが可能になるのですが、トビ(ハイライトが0%)やつぶれ(スミが100%)があった場合、それぞれトビは2〜4%へ、つぶれは98%へポイントを動かすとよいでしょう。

通常、S字型にするとコントラストが強まり、逆S字にするとコントラストが弱まります。しかし画像によっては、部分的に階調が反転してしまうこともあるので、注意してください。 色相・彩度は、 色の3要素をコントロールするための機能ですが、実際の現場では、彩度を上げるためによく使われます。

自然に撮った画像は、意外なことに、実際の記憶イメージよりもはるかに彩度が低いです。そのため、撮った画像を記憶イメージ近付けるには彩度を上げる必要があります。 色相は、部分的に色を変える場合や、カラーをモノクロにする場合に使用することが多い機能です。RGBやCMYを一色ずつ別々にコントロールすることが可能で、青が多い緑色を黄色系の緑色に変換したり、また空の青色だけを変えるなどといった便利な使い方もできます。

しかし、全体的な色の偏りはトーンカーブやレベル補正、カラーバランスを使った方が正確に補正できます。 明度は、明るさ・コントラスト機能の明るさ補正とほぼ同じ機能ですが、色別に明るさをコントロールできるのが便利です。
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